3人の”ガールズ”は、私より一日早く旅立っていった。
皮肉なことに、ガールズが去ったあと、アルプバッハは快晴になった。
歩く予定だったワイダースベルグホーンのスキー場にひとりで行った。
山頂付近まで牛が放牧されていて、小さなキンポウゲの黄色の群落がゲレンデ全体を覆っている。遠くにアルプバッハの村が夕日に輝いている。お花畑のゲレンデを、トレッキングフィナーレに過ぎしのチロルの谷間を思い出しながら、ゆっくりと下ってきた。帰り着いたアルプバッハは、家々のベランダにあふれる花とアルムの緑が暮れなづむチロルの夕映えの中に、ことの他、美しかった。
Good by Tirol ! Will be back again !
12月から3月まで雪の中に静かだった山荘にも、いよいよ雪が溶け始め、春が訪れた。凍結防止でチョロチョロ流していた庭の水道栓を閉めた。
反対に、山荘内の水抜きしていた水道管に水を通し、水道を使えるようにした。凍って破裂したお湯の調整バルブも取り替えた。少し曲がっているのでは?と感じていた薪ストーヴの煙突は、やはり雪がひっかかっていた時の重みで、曲がっていることが溶けてみてわかった。煙突を支えている鉄の棒がたわんでいた。そのたわみの分だけ、煙突が引っ張られ、傾いでいた。
工務店に電話し、修理してもらうことにした。冬が過ぎると、春からの使用に向けて、いろいろとやることが多い。
山荘の裏は、屋根から落ちた雪で、まだ軒下までうず高く残っている。これが無くなるのは4月末だろう。冬の準備のときは、来る機会が少なくなるための準備だったが、今日の準備は「今年もお世話になるよ」と始まりの準備なので、心もウキウキしてくる。空気も暖かくなってきた。
高遠の桜の開花予想も4月15日と発表された。 Spring has come! だ。